初版: 2026-01
更新: 2026-02
「BASEとShopify、結局どっちがいいの?」
信楽焼の窯元でEC立ち上げを相談されたとき、まず聞かれたのがこの質問でした。
答えは「状況による」です。月商規模・商材単価・海外展開の有無・運用体制によって最適解は変わります。ただ、多くの事業者にとって月商30万円がひとつの分岐点になることは確かです。
この記事では、BASEとShopifyの違いを「費用」「機能」「集客力」「移行のしやすさ」の観点から整理します。「どちらが自社に合うか」を判断するための材料として活用してください。
「一言で言うと何が違う?」——次は両者の違いを整理します。
BASEとShopifyの違いを一言で
BASEは「売れたときだけ払う」変動費型。Shopifyは「毎月固定で払う」固定費型。この費用構造の違いが、月商規模によるコスト逆転を生みます。
項目 | BASE | Shopify |
|---|---|---|
コンセプト | 無料で始められる手軽さ | 機能と拡張性の豊富さ |
費用構造 | 変動費型(売上連動) | 固定費型(月額制) |
向いている規模 | 月商30万円未満 | 月商30万円以上 |
海外販売 | 難しい | 対応しやすい |
「具体的にどっちが安い?」——次は月商別のコスト比較を見ていきます。
費用・手数料の比較【月商別シミュレーション付き】
どちらが安いかは、月商規模で変わります。以下の比較表とシミュレーションで確認してください。
基本料金の比較
項目 | BASE(スタンダード) | Shopify(ベーシック) |
|---|---|---|
初期費用 | 0円 | 0円 |
月額費用 | 0円 | 約4,850円($33) |
決済手数料 | 3.6%+40円 | 3.4% |
サービス利用料 | 3% | なし |
実質手数料率 | 約6.6%+40円/件 | 約3.4% |
月商別コストシミュレーション
客単価3,000円、月間注文数を変動させた場合のシミュレーションです。
月商 | 注文数 | BASE月額コスト | Shopify月額コスト | 差額 |
|---|---|---|---|---|
10万円 | 33件 | 約7,920円 | 約8,250円 | BASE有利(330円) |
20万円 | 67件 | 約15,880円 | 約11,650円 | Shopify有利(4,230円) |
30万円 | 100件 | 約23,800円 | 約15,050円 | Shopify有利(8,750円) |
50万円 | 167件 | 約39,680円 | 約21,850円 | Shopify有利(17,830円) |
100万円 | 333件 | 約79,320円 | 約38,850円 | Shopify有利(40,470円) |
ポイント:月商20万円を超えたあたりからShopifyの方がコスト面で有利になり始めます。月商30万円では年間10万円以上の差が出る計算です。
「機能面ではどっちが上?」——次は機能・拡張性の比較を見ていきます。
機能・拡張性の比較
EC運営に必要な機能面でも両者には差があります。
機能 | BASE | Shopify |
|---|---|---|
デザインテンプレート | 50種類以上 | 100種類以上 |
アプリ/拡張機能 | 80種類以上 | 8,000種類以上 |
多言語対応 | 限定的 | 50言語以上 |
多通貨対応 | 非対応 | 対応 |
越境EC | 難しい | 対応しやすい |
API連携 | 限定的 | 充実 |
カスタマイズ性 | 低〜中 | 高 |
Shopifyのアプリストアには8,000種類以上の拡張機能があり、サブスク販売・予約販売・定期便・会員限定販売など、ほぼあらゆるビジネスモデルに対応できます。ただし「機能が多い=良い」とは限りません。使いこなせない機能は運用の複雑さになるだけです。
「集客面ではどっちが有利?」——次は販促・集客機能の比較を見ていきます。
どっちが売れる?販促・集客機能の比較
ECで成果を出すには「集客」が欠かせません。販促・集客機能でも両者には差があります。
集客チャネルの比較
機能 | BASE | Shopify |
|---|---|---|
Instagram連携 | ○(ショッピング機能) | ○(ショッピング機能+カタログ同期) |
Googleショッピング | △(手動設定) | ○(自動連携アプリあり) |
メルマガ配信 | ○(BASEアプリ) | ○(Shopify Email+外部連携) |
クーポン発行 | ○ | ○(条件設定が豊富) |
ポイント機能 | ○ | ○(アプリで拡張) |
SEO設定 | △(基本のみ) | ○(詳細設定可能) |
広告連携 | △ | ○(Facebook・Google広告連携) |
どちらが「売れる」のか?
結論から言えば、プラットフォームで売上が決まるわけではありません。売れるかどうかは商品力・価格設定・集客施策・運用体制で決まります。
ただし、集客の「打ち手」の選択肢はShopifyの方が多いです。Googleショッピング連携、Facebook広告連携、メールマーケティングの自動化など、本格的にEC運営を行うならShopifyの方が有利です。
一方、BASEには「BASE」というプラットフォーム自体に集客力があります。BASEアプリからの流入や、PAY IDユーザーからの購入など、自力集客が難しい初期段階では助けになることもあります。
「BASEで始めて後からShopifyに移れる?」——次は移行について見ていきます。
BASEからShopifyへの移行【手順と注意点】
「BASEで始めて、軌道に乗ったらShopifyに移行」という選択肢もあります。実際にその流れを取る事業者は多いです。ただし、移行には手間とコストがかかる点を理解しておいてください。
移行の基本手順
- Shopifyアカウント作成:14日間の無料トライアルあり
- 商品データ移行:BASEからCSVエクスポート → Shopifyにインポート(形式変換が必要)
- 顧客データ移行:BASEからCSVエクスポート → Shopifyにインポート
- デザイン設定:テーマ選択・カスタマイズ
- 決済設定:Shopifyペイメント設定
- ドメイン移行:独自ドメイン使用時は移管またはDNS設定変更
- テスト注文:決済・配送の動作確認
- 公開・旧サイト閉鎖
移行時の注意点
- CSV形式の違い:BASEとShopifyではCSV形式が異なります。Excelやスプレッドシートで変換作業が必要です
- 画像の移行:商品画像はURLでインポートするか、再アップロードが必要です
- 顧客パスワード:セキュリティ上、顧客のログインパスワードは移行できません。顧客に再設定してもらう必要があります
- 注文履歴:過去の注文履歴は手動でインポートするか、移行しないケースが多いです
- SEO影響:URL構造が変わるため、リダイレクト設定をしないとSEO評価が下がる可能性があります
- ダウンタイム:切り替え時に一時的にサイトが閲覧できない期間が発生することがあります
移行にかかる時間とコスト
商品数100点程度で、自力移行なら1〜2週間。外注する場合は5〜20万円程度が目安(商品数・カスタマイズ度合いによる)です。
移行が面倒だからといって、月商が伸びているのにBASEに留まり続けると、手数料差が積み上がって「移行しなかった損失」が大きくなります。月商50万円で年間21万円、月商100万円で年間48万円の差が出る計算です。
「結局、うちにはどっちが向いてる?」——次は判断フローを見ていきます。
どちらが向いているか?判断フロー
以下のフローで自社に合ったプラットフォームを判断してください。
- 月商30万円未満で、まず始めてみたい → BASE
- 月商30万円以上を目指す or 既に超えている → Shopify
- 海外販売を視野に入れている → Shopify(ほぼ必須)
- デザイン・機能にこだわりたい → Shopify
- 運用リソースが限られている → BASE(シンプル)
- 将来的に年商1,000万円以上を目指す → 最初からShopify
重要なのは「どちらが正解か」ではなく「今の自社に合っているか」です。最初の選択は永久に固定されるわけではありません。
甲賀市・滋賀県の中小企業が選ぶなら
甲賀市や滋賀県内の中小企業がECを始める場合、いくつかの特有の状況があります。
信楽焼や近江牛など地域特産品を扱う場合、商品の「ストーリー」を伝えることが重要になります。世界観を表現するデザイン自由度を求めるなら、Shopifyの方が選択肢が多いです。
一方、「まずECが自社に合うか試したい」段階なら、BASEで小規模に検証する方がリスクは低いです。売れるかどうか分からない段階で月額固定費をかけるのは、中小企業にとって負担になりえます。
インバウンド需要や越境ECを視野に入れる場合は、多言語・多通貨対応のShopifyがほぼ必須です。
DP-GUILDでは、ECプラットフォーム選定だけでなく、その後のSNS運用・SEO対策・広告運用まで一貫して相談できます。ただし、すべての企業にECが向いているわけではありません。商材・体制・予算によっては「まずはSNSだけで始める」「ECより先にHPを整える」という判断も含めて提案しています。
「BASEとShopifyどちらが合うか分からない」「ECを始めるべきか迷っている」という状態でも、相談していただいて大丈夫です。一緒に整理するところから始められます。
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この情報は2026年2月時点のものです。各プラットフォームの料金体系や機能は変更される可能性があるため、最新情報は公式サイトを確認してください。
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