初版: 2026-11
更新: 2026-11
「開業して半年たつのに、初診の数が思ったほど伸びない」「広告会社から提案が届いたが、どれが自院に合うのか見当がつかない」——集患の方法を調べると、ホームページ、地図の検索への対策、SNS、広告、口コミと、7つも8つも手が並びます。読むほど迷う、という院長も少なくありません。診療を続けながら、そのすべてに時間とお金を回すのは難しいはずです。
この記事では、院に患者が来る道を、初診の人の道(新患)、通院を続ける人の道(再診)、病院や介護の事業所・家族からつながる道(紹介)の3本に分けて考えます。自院のどの道が詰まっているかを見分け、その道に合う方法、開業からの時期ごとの順番、医療広告で気をつける所を、この順で整理します。どこから手を付けるか決めきれない時は、無料で相談できます。依頼するか決めていない段階でもかまいませんし、売り込みはしません。
施策を並べる前に、患者が来る3つの道を分ける

集患の方法を一覧で見比べると、どれも役に立ちそうに見えます。ところが、それぞれが効く場所は違います。弊社は、クリニックに患者が来る道を、次の3つに分けて考えることをおすすめします。
- 新患の道:近くで受診先を探している人が、自院を見つけ、来院を決めるまでの道です。検索の結果、地図、看板、ホームページが関わります。
- 再診の道:一度来た人が、必要な間、通い続けてくれるかの道です。診察での説明、次の受診の案内、予約の取りやすさ、待ち時間が関わります。
- 紹介の道:ほかの医療機関・介護の事業所・患者の家族などから、つながって来る道です。日々の連携と、院への信頼が関わります。
3つに分けると、同じ「患者が少ない」という悩みでも、打つ手がまるで違うことが見えてきます。たとえば初診は来ているのに2回目が続かない院が広告を増やしても、入ってきた人がそのまま抜けていきます。詰まっていない道にお金をかけ、詰まっている道を手つかずのまま残す——これは避けたい事態です。
どの道の比重が大きいかは、診療科と、保険診療が中心か自由診療もあるかで変わる、と弊社は考えます。慢性の病気で通院が続く診療科なら再診の道、急な症状や健診で来る人が中心の診療科なら新患の道の比重が上がります。自由診療は、来院の前に比べて調べる時間が長くなりやすいため、ホームページでの説明の比重が上がる、というのが弊社の見立てです。「うちはどこが詰まっている?」——次は、見分け方を見ていきます。
自院の詰まりは3つの数字で見分ける

詰まっている道を見分けるのに、難しい分析は要りません。電子カルテやレセプトコンピュータ、予約の記録から、月ごとに次の3つを出してみてください。
- 新患の数:その月に初めて来た人の数です。開業からの月ごとの並びで、伸びているか、止まっているかを見ます。
- 2回目に来た割合:続けて受診が要る病気で来た初診の人のうち、次の受診の日に来た人の割合です。
- 紹介で来た人の数と紹介元:どの医療機関・事業所から来ているかを、紹介状と問診票の「当院を何で知りましたか」の欄で数えます。
読み方は単純です。新患の数が少なければ新患の道、新患は来ているのに2回目の割合が低ければ再診の道、紹介元が1〜2か所に偏っているか紹介がほとんど無ければ紹介の道が詰まっています。問診票の「何で知ったか」の欄には、「Googleマップ」「ホームページ」「看板」「家族・知人」「ほかの医療機関から」などの選択肢を並べておくと、あとで数えやすくなります。
数字を出してみると、院長の手ごたえと違う結果が出ることがあります。それこそが、限られた時間とお金をどこに向けるかを決める材料です。「新患が少ないなら?」——次は、新患の道を広げる方法を見ていきます。
新患を増やす方法:見つけてもらう入口の情報をそろえる
新患の道で弊社が最初にすすめるのは、新しい手を足すことではなく、すでにある入口の情報をそろえることです。地域で受診先を探す人が目にする入口は、主に次の4つだと弊社は見ています。
- Googleマップに出る院の情報(院の側で直す場所は、Googleビジネスプロフィールの管理画面です):開いている時間、休みの日、所在地、電話番号、予約の入口が、今の院と合っているかを見ます。臨時の休診も、ここを直さないと伝わりません。
- 医療情報ネット(ナビイ):厚生労働省が2024年4月から運用している、全国の病院・診療所などを探せるサイトです。医療機能情報提供制度にもとづいて医療機関が報告した情報が載ります(出典:厚生労働省の医療機能情報提供制度(医療情報ネット)のページ/2026年11月5日閲覧)。報告した中身が、今の診療と合っているかを確かめます。
- ホームページ:来院を決める前に、患者が確かめに来る場所です。作り方と載せる中身は、クリニックのホームページの作り方の記事にまとめました。
- 院の外の看板・内覧会・地域の掲示:開業の前後は、近くを通る人や住む人に院の存在を知ってもらう入口が効く時期です。
4つの入口の間で診療時間や休診日がずれていると、患者は「どれが正しいのか」と迷い、電話で確かめるか、別の院を選びます。新しい手を足す前に、4つの入口の情報を1枚の表に並べて、ずれを直すことをおすすめします。
検索結果に出す広告などの有料の手は、入口の情報がそろってから考えても遅くない、というのが弊社の考えです。広告を見た人も、マップやホームページで院を確かめてから来院を決めると弊社は見ているからです。広告の文も医療広告の決まりの対象になる点は、後の節で触れます。「来た人に通い続けてもらうには?」——次は、再診の道を見ていきます。
再診を増やす方法:Webより院内の体験を見直す
再診の道は、Webの手ではほとんど動かない、と弊社は考えます。2回目に来るかどうかを左右するのは、初めて来た日にクリニックの中で起きたことだからです。見直す所は、次の4つです。
- 診察での説明:病名と今後の見通し、なぜ次の受診が要るのかが、患者の分かる言葉で伝わったか。
- 次の受診の案内:「次はいつ来ればよいか」が、紙や予約の控えなど、手元に残る形で渡っているか。
- 予約と待ち時間:予約の取り方と、待ち時間の目安が伝わっているか。
- 受付・会計の流れ:問診票・保険証・支払いなど、初めての人が迷う場面がどこにあるか。
弊社の代表は、理学療法士として病院とスポーツクリニックで働いたあと、運動・食事・メンタルまで含めて体をみる店を自分で開業しました。医療の現場で患者に説明する側と、自分の店で2回目に来てもらう側の両方に立ってきた立場から、弊社は、2回目が続かない理由を、医療の中身より先に「患者が次に何をすればよいか分からないまま帰っていないか」に探すことをおすすめします。
再診の道には、院長だけでは直せない所も多くあります。受付や看護師の方と、初診の日の流れを紙に書き出し、患者が迷う場面を1つずつ減らしていくのが近道です。「紹介を増やすには?」——次は、紹介の道を見ていきます。
紹介を増やす方法:地域の連携と、患者からのつながり
紹介の道は、さらに2つに分かれます。
- 医療機関・介護の事業所からの紹介:近くの病院、ほかの診療科のクリニック、ケアマネジャー、訪問看護などからつながって来る道です。
- 患者・家族からの紹介:通院中の人が、身近な人に院のことを話してつながる道です。
前者で弊社が大事だと考えるのは、紹介状への返事の早さと中身、そして「この院にはどんな患者を送ってよいか」が相手に伝わっていることです。送った患者がその後どうなったかが分からないと、紹介する側は次に送りにくくなる、と弊社は考えます。返事の書き方と、受けられる患者・受けにくい患者を1枚にまとめ、紹介元に渡しておく形をおすすめします。
後者は、院が仕掛けて作るものではなく、再診の道での体験の結果として生まれる、というのが弊社の見方です。ここで気をつけたいのがクチコミの扱いです。Googleは、クチコミの投稿や否定的なクチコミの削除と引き換えに、割引や無料のサービスなどの見返りを出すことを、ビジネス側の禁止事項に挙げています(出典:Googleマップのクチコミなど利用者の投稿についての、Googleのポリシー/2026年11月5日閲覧)。また、治療で良くなったという患者の声を、院が自分の広告やサイトに載せることは、医療広告の決まりの上で認められていません。クチコミを集める仕掛けを考えるより、通い続けたくなる院内の体験に時間を使う方が、遠回りに見えて筋のよい道です。「どれから先に手を付ける?」——次は、開業からの時期ごとの順番を見ていきます。
開業からの時期ごとに、先にやる順番

3つの道のどれが詰まりやすいかは、開業からの時期によっても変わります。弊社がすすめる順番は、次のとおりです。
- 開業の前〜直後:新患の道の入口をそろえる時期です。Googleマップに出る院の情報、ナビイへの報告、ホームページ、看板の情報を、開業日の時点で一致させます。「何で知ったか」を数える問診票の欄も、この時期に作っておきます。
- 開業から半年〜1年:新患の数と、2回目に来た割合を月ごとに見る時期です。新患は来ているのに2回目が続かないなら、Webの手を足す前に院内の体験を見直します。
- その後:紹介元の数と偏りを見る時期です。紹介が1〜2か所に偏っていれば、受けられる患者をまとめた1枚を作り、近くの医療機関や介護の事業所とのつながりを広げます。
継承した院や、開業から年数のたった院でも、この順番は使えます。最初の1か月で3つの数字を出し、詰まっている道の段から始めてください。「広告の決まりは?」——次は、どの手にもかかる医療広告の線を確かめます。
どの手にもかかる医療広告の線
どの集患の手を選んでも、医療法の広告の決まりからは外れられません。2018年6月施行の医療法の改正からは、自院のサイトも規制がかかる範囲に含まれています。細かな線引きを示すのが厚生労働省の「医療広告等ガイドライン」で、2026年11月5日に同省のページで見た版の最終改正日は2026年3月30日でした(出典:厚生労働省「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告等ガイドライン)」/2026年11月5日閲覧)。
集患の手ごとに、特に気をつけたい所は次のとおりです。
- ホームページ・SNS:治療の効果を語る患者の声、説明を添えない施術前後の写真、他院に勝ると思わせる言い方を避けます。ホームページでの細かな扱いは、ホームページの作り方の記事で説明しています。
- チラシ・看板・検索結果に出す広告:広告できる事項の範囲で書くのが基本です。サイトで詳しい説明を載せられる例外(限定解除)は、患者が自分から調べに来て読む情報であることなどを条件にした仕組みです。チラシ・看板・広告の文に書ける事項かどうかは、出す前にガイドラインで確かめます。
- クチコミ:見返りを付けて頼みません。よい声を書いてくれそうな人だけを選んで頼むことも、Googleのポリシーで禁止に挙がっています。
載せたい言葉が線の内側か迷った時は、管轄の保健所に相談できます。「Webの手で全部解ける?」——次は、集患の手の限界と、弊社のすすめ方をまとめます。
集患の手は万能ではない:DP-GUILDのすすめ方
ここまでの方法は、どれも万能ではありません。集患の手で動かせるのは、患者が院を見つけて来院を決めるまでと、院の情報の伝わり方までです。医師やスタッフの人数、診療時間の枠そのものが足りなければ、患者が増えても受けきれません。紹介の道も、Webより日々の連携と返事の積み重ねで決まる部分が大きい、と弊社は考えます。
DP-GUILDでは、院長と一緒に3つの数字から詰まっている道を見つけ、その道に合う手だけを選ぶところから始めます。弊社がホームページやSNSの作り手としてお手伝いできるのは主に新患の道で、ホームページ制作のサービスには広告の出稿・運用は含みません。再診や紹介の道が詰まっているとわかった時は、Webを作る前にそのことをお伝えします。お話を聞く場は、オンラインの30分ほどか、書いて答えていただく質問票のどちらかです。そこから先は、メールでやり取りします。
「方法が多すぎて、どれから手を付けるか決められない」「新患と再診のどちらが詰まっているのか分からない」という状態でも、相談していただいて大丈夫です。滋賀を拠点にする弊社が、一緒に整理するところから始めます。無料のご相談の窓口からどうぞ。相談だけで終わってもかまいませんし、弊社から契約をすすめることはありません。ホームページづくりの進め方は、サービスのページ(ホームページ制作)で読めます。
この情報は2026年11月時点のものです。医療広告等ガイドラインとGoogleのポリシーは、今後も改められることがあります。
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DP-GUILDは、医療現場(理学療法士)出身の視点で、整骨院・訪問看護・訪問リハ等の“集患・稼働率”を支援するパートナー。
