初版: 2026-11
更新: 2026-11
「チラシも出した、ホームページもある、それでも新患の数が伸びない」「初めて来た患者さんが、治療の途中から来なくなる」——診療の合間にこうした悩みを抱えながら、集患の方法を調べている院長は少なくありません。
本記事では、歯科医院の集患を「患者さんがどこで止まっているか」から考え、詰まりごとに先に打つ手と、医療広告の決まりで越えてはいけない線を整理します。読み終えたあと、院長ご自身が「うちはこの段から」と言えるようになるのがこの記事のねらいです。自院の詰まりの場所に心当たりが無い時は、無料のご相談をお使いください。ご相談だけでもかまいませんし、売り込みはいたしません。
歯科医院の集患は「患者さんがどこで止まっているか」から考える

弊社は、歯科医院の集患を次の3つの段に分けて考えることをおすすめします。
- 新患が来ない:医院を探している人に見つけてもらえていない、または見つけても選ばれていない段です。
- 初診で途切れる:一度は来院したのに、治療の途中で予約が無くなったり、無断のキャンセルのまま来なくなったりする段です。
- 定期検診に戻らない:治療が終わったあと、次の検診やクリーニングの時期に戻ってこない段です。歯科ではリコールと呼ばれる連絡がここに当たります。
3つの段では、効く手がまったく違います。新患が来ない医院が予約の連絡の仕組みを入れても新患は増えませんし、定期検診に戻らない医院が広告を増やしても、出ていく患者さんの数は変わりません。歯科は、虫歯や歯周病の治療が終わったあとも、検診で長く通っていただける診療科です。だからこそ、入口の新患だけでなく、2つめと3つめの段まで見ておく値打ちがあります。
「どの段かを見分ける前に、決めておく事は?」——次は、保険の診療と自費の治療のどちらに力を入れるかを見ていきます。
先に決めること:保険の診療と自費の治療のどちらに力を入れるか
厚生労働省「令和7(2025)年 医療施設(動態)調査・病院報告の概況」によると、2025年10月1日時点の全国の歯科診療所は65,624施設で、前の年より754施設減っています(2026年11月5日閲覧)。数は減っているとはいえ、弊社は、多くの地域で患者さんが通える範囲にいくつもの歯科医院があり、患者さんはその中から比べて選んでいると見ています。
そこで、比べられる時に何を見せるかを先に決めておきます。弊社は、保険の診療を中心にするか、自費の治療(インプラント、歯並びの矯正、歯を白くするホワイトニングといった治療)に力を入れるかで、集患の手が大きく変わると考えます。
- 保険の診療が中心の医院:近くに住む人や、近くで働く人が主な患者さんになります。患者さんが確かめるのは、場所、診療時間、土日や夜の診療、予約の取りやすさ、駐車場といった「通えるか」の情報です。Googleマップ上の医院の情報とホームページの基本の情報が、選ばれるかを左右すると弊社は見ています。
- 自費の治療に力を入れる医院:弊社は、自費の治療では少し遠くても足を運ぶ人がいる代わりに、決めるまでに時間をかけて比べられると見ています。治療の流れ、費用、主なリスクや副作用、担当する歯科医師の経歴といった、詳しい説明が要ります。ここは医療広告の決まりが最も厳しくかかる所でもあります。
両方に同じ力をかけると、ホームページも広告も、誰に向けた物か分からない中身になりがちです。院長が「この先3年、どちらで医院を支えるか」を決めると、そのあとの手の選び方がぶれにくくなります。「では、自院の詰まりはどこ?」——次は、院内の数字で詰まりを見つける方法を見ていきます。
院内の数字で、詰まっている段を見つける

「新患が少ない気がする」「最近来なくなった人が多い気がする」という感じ方だけで手を選ぶと、外れることがあります。弊社は、手を打つ前に、受付の予約の記録やレセプトのソフトから次の3つの数字を月ごとに出してみることをすすめます。難しい分析は要りません。月ごとに数えて並べるだけです。
次の表は、3つの段ごとに「院内で見る数字」と「その数字が低い時に先に打つ手」を並べたものです。どの行の数字が低いかで、自院の詰まりが分かります。
詰まっている段 | 院内で見る数字(月ごと) | 数字が低い時に先に打つ手 |
|---|---|---|
新患が来ない | 初めて来院した患者さんの数と、どこで医院を知ったか(問診票で聞く) | Googleマップ上の医院の情報とホームページを整える。開業の前後なら看板も |
初診で途切れる | 初診の人のうち、予定していた治療の終わりまで通った人の割合と、無断のキャンセルの数 | 帰る前に次の予約を取る、前日に予約の連絡をする、治療の見通しを最初に伝える |
定期検診に戻らない | 治療が終わった人のうち、次の検診の予約を入れた人と、実際に戻ってきた人の数 | 治療の終わりで次の検診の日取りを決める、時期が来たらお知らせを送る |
問診票に「当院を何で知りましたか」の欄が無ければ、まずそこから足すのがおすすめです。新患がどこから来ているかが分からないと、増やす手を選べず、効いていない手にお金をかけ続けることになります。
3つの数字を並べると、どれも少しずつ弱い、という結果になることもあります。その時は、一番下の段から手を付けるのが弊社の考えです。定期検診に戻る人が増えれば、新しく集める患者さんの数が同じでも、通っている人の数は積み上がっていきます。ただし、開業したばかりで通っている患者さんがまだ少ない医院は別で、新患の段が先になります。
「新患を増やすには何をする?」——次は、1つめの段、新患が来ない時の手を見ていきます。
新患が来ない時:探される場所に、正しい情報で出る
新患の段で弊社がすすめる順番は、①Googleマップ上の医院の情報、②ホームページ、③看板やチラシ、④Web広告です。お金をかける手ほど後ろに置いています。
- Googleマップ上の医院の情報(登録や編集はGoogleビジネスプロフィールという画面で行います):「地名+歯医者」で探す人が最初に目にするのはここだ、と弊社は見ています。診療時間、休診日、臨時の休み、電話番号、予約の入口が、院内の掲示やホームページと食い違っていないかを最初に確かめます。費用をかけずに直せる所から始めます。
- ホームページ:マップで医院を知った人が「この医院で大丈夫か」を見極めに訪れるページです。スマホで開いてすぐ、診療時間と予約の入口に目が届くか、どんな歯科医師が診るのかが分かるかを見ます。作り方の順番はクリニックのホームページの作り方で詳しく説明しています。
- 看板・チラシ:開業の前後や移転の時など、地域にまだ知られていない時期に役立ちます。通りがかりの人の目に入る場所の看板は、長く働く手です。
- Web広告:①と②が整ってから出します。広告で人を呼んでも、たどり着いた先の情報が古ければ、お金を払って人を逃すことになるからです。
注意したいのは、チラシも看板もWeb広告も、医療法の広告の規制の対象になる点です。チラシ・看板・Web広告は広告できる事項の中でしか書けず、ホームページで使える詳しい説明の例外(限定解除)は使えません(線の中身は後の節で整理します)。
また、予約を電話だけで受けている医院は、診療中や休診日に電話に出られず、その間にほかの医院へ流れる人がいると考えられます。Web予約の入口を足すかどうかも、この段で検討します。患者さんの情報が入る予約の仕組みは、医療機関向けに作られたサービスに任せ、ホームページとマップからはそこへ案内するだけにする形を、弊社は安全な形としてすすめます。
「来た患者さんが続かないのは?」——次は、2つめの段、初診で途切れる時の手を見ていきます。
初診で途切れる時:来た日の説明と、次の予約
新患を増やしても、治療の途中で来なくなる人が多ければ、集めた分がそのまま抜けていきます。広告にお金をかけて呼んだ患者さんが、2回目の予約を入れずに帰っていく——これは避けたい事態です。
DP-GUILDの代表は、理学療法士として病院とスポーツクリニックで働いたあと、運動・食事・メンタルまで含めて体をみる店を自分で開業しました。歯科とは診る所が違いますが、通っていただく形の仕事を、医療の現場と自分の店の両方でしてきた経験から、弊社は、続くかどうかは初めて来た日の説明と、次の予定の決め方で大きく変わると考えています。歯科で手を入れる所は次の3つです。
- 最初に見通しを伝える:何回くらい通う治療なのか、次は何をするのかを、初診の日に伝えます。終わりが見えないと、痛みが引いたところで来なくなる人が出ます。
- 帰る前に次の予約を取る:会計の時に次の日取りを決めていただきます。「また電話します」で帰った人は、忙しさにまぎれて連絡しないまま、ということが起こりやすいと弊社は見ています。
- 前日に予約の連絡をする:予約の前日などに、日時を知らせる連絡を送ります。忘れていた人が来られるだけでなく、都合が悪くなった人も気まずさなく日を変えやすくなり、無断のキャンセルのまま離れていく人を減らす手になります。
連絡をSMSやLINE、メールで送る場合は、患者さんの連絡先を何に使うかを、問診票や院内の掲示で先に示しておくことをすすめます。
「治療が終わった人は?」——次は、3つめの段、定期検診に戻らない時の手を見ていきます。
定期検診に戻らない時:治療の終わりで、次の検診の日取りを決める
3つめの段は、治療が終わったあとの患者さんです。治療を目的に来た人の中には、「また痛くなったら行こう」と考えて、検診のことは頭に無い人もいます。
弊社のおすすめは、次の順番です。
- 治療の最後の日に、検診を案内する:歯科医師や歯科衛生士から、検診で何をするのか、どのくらいの間を空けて来てほしいのかを伝えます。「お知らせを送ります」で終わらせず、できればその場で次の検診の日取りを決めていただきます。
- 時期が来たら、お知らせを送る:日取りを決めなかった人には、検診の時期が来た時に連絡します。はがき、SMS、LINEなど、患者さんが受け取りやすい方法を、最初の段で聞いておくと送り先に迷いません。
- 戻ってきた人の数を数える:お知らせを送った人のうち、何人が予約を入れたかを月ごとに数えます。送るだけで数えていないと、送り方を変えた時に良くなったのかどうかが分かりません。
お知らせの文には、「放っておくと悪くなります」のように不安をあおる言い方や、検診の効果を言い切る言い方は使わない方が安全です。前回の来院からの時期と、検診で行うこと、予約の方法を、事実として伝えるだけで十分だと弊社は考えます。
「どの段でも気をつける事は?」——次は、どの手を使う時にも守る、医療広告の線を見ていきます。
どの手でも越えない線:歯科医院の広告の決まり
歯科医院のホームページ、チラシ、看板、Web広告には、医療法が定める広告の規制がかかります。何が良くて何がだめかは厚生労働省のガイドラインに書かれており、同省のサイトに出ている最新の版は2026年3月30日の最終改正です(出典:厚生労働省「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告等ガイドライン)」/2026年11月5日閲覧)。集患の手を選ぶ時に、特に引っかかりやすいのは次の4つです。
- 患者さんの体験談:治療の中身や効果を、患者さん自身の感じ方で語る体験談は、広告に使えません。医院が自分のウェブサイトに載せる治療の中身や効果の体験談も広告に当たり、禁止されることが、ガイドラインの本文に書かれています。
- 治療の前後の写真:患者さんに効果を誤解させるおそれのある前後の写真は、広告に使えません。ふだん必要とされる治療の中身や費用、主なリスク・副作用の詳しい説明を写真のすぐ近くに添えた場合はこれに当たらないとされていますが、治療の効果は広告できる事項ではないため、前後の写真を載せられるのは、限定解除の条件をそろえたホームページなどに限られます。チラシ・看板・Web広告には載せられません。
- ほかの医院より上だと示す言葉:よその医療機関と比べて勝っていると示す書き方や、事実を実際より大きく見せる書き方も認められていません。
- 自費の治療の説明:ウェブサイトでは、患者さんが自分から調べに来て読む情報であること、問い合わせの連絡先を示していることなどの条件をそろえると、広告できる事項の外の詳しい説明も載せられます(限定解除と呼ばれます)。自由診療なら、ふだん必要とされる治療の中身と費用、主なリスクや副作用を書くことも条件に入ります。
弊社は、症例の前後の写真や患者さんの声に頼らずに集患を組み立てることをおすすめします。ホームページに前後の写真を載せるなら説明を写真のすぐ近くに置くこと、患者さんの声で治療の効果を伝える形は取らないことが、弊社の線です。口コミについても、医院が書くよう頼んだり、謝礼や広告料を出したりした物は、患者さんを呼ぶ意図があるとして広告に当たる、とガイドラインの本文に示されています。
言い回しに迷う時は、医院のある地域の保健所に尋ねる方法もあります。「Webだけでは動かない時は?」——次は、Webの手が届かない詰まりを確かめていきます。
集患の手は万能ではない:Webで解けない詰まり
ここまでの手は、どれも万能ではありません。弊社が先にお伝えしておきたいのは、次のような場合です。
- 予約が埋まって、新患を受けられない:初診の予約が何週間も先まで取れない医院が新患を集めても、待てない人は別の医院へ行きます。この場合は、集患より、診療の枠や受付の流れといった受け入れの側を先に見直す方が先です。
- 院内の体験で離れている:待ち時間、説明の分かりやすさ、受付の対応で離れている人は、ホームページや広告をいくら直しても戻りません。
- 人の手が足りない:お知らせを送る、マップの情報を直すといった手も、誰が受け持つかが決まらなければ続きません。担当が決まらないまま仕組みだけを入れると、数か月で止まってしまいます。
Webで届かない所に原因があると分かった時は、弊社はそれをそのままお伝えし、作る物を小さくする案をお出しします。「結局、何から始める?」——次は、弊社のおすすめの順番とお手伝いをまとめます。
DP-GUILDのおすすめの順番とお手伝い

歯科医院の集患を、弊社は次の順番で進めることをおすすめします。
- 決める:保険の診療と自費の治療のどちらに力を入れるかを、院長の言葉で決めます。
- 数える:新患の数、治療の終わりまで通った人の割合、定期検診に戻った人の数を、月ごとに並べます。
- 一番弱い段に手を打つ:新患ならマップの情報とホームページ、途中で途切れるなら次の予約と前日の連絡、定期検診ならお知らせの仕組みから始めます。
- 線と照らす:ホームページ・チラシ・広告の原稿を、公開の前に医療広告等ガイドラインと照らします。
- もう一度数える:手を打って数か月たったら同じ数字を出し、次に弱い段へ移ります。
弊社がお手伝いするのは、ホームページの制作と、ご希望があれば公開後の点検・更新(月額の別契約)です。制作のご依頼では、作るページを並べた一覧と、見積りの外に置く作業を契約の前にお見せします。お見積りをお出しするところまでは無料です。歯科医院の集患での成果を、弊社はまだ実績としてお見せできる段階にありません。その代わりに、医療の現場と自分の店の両方を知る代表が、院長と一緒に詰まっている段を洗い出し、診療の場で使う言葉と広告に出せる言葉の境目を確かめながら進めます。院長のお話はオンラインか文章の質問票で伺い、その後はメールでやり取りするので、診療の合間に打ち合わせの時間を取っていただく必要はありません。
「新患と定期検診のどちらが詰まっているのか分からない」「ホームページを作り直すべきか、今のままで足りるのか迷っている」という状態でも、相談していただいて大丈夫です。滋賀を拠点にする弊社が、関西の医院の院長と、止まっている段を一緒に整理するところから始められます。お声がけは無料のご相談からどうぞ。ご相談だけで終わってもかまいませんし、弊社から契約をお願いすることもありません。ホームページ制作の進め方はサービスのページにまとめています。
この情報は2026年11月時点のものです。医療広告等ガイドラインは、今後も改正されることがあり得ます。
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