初版: 2026-11
更新: 2026-11
「指定は取れそうだけれど、開設してから利用者さんがどこから来るのか見えない」「看護師が集まるかも分からないのに、集客まで考える余裕がない」——訪問看護ステーションを立ち上げる方や、立ち上げたばかりの管理者の方は、こうした不安を抱えたまま開設日を迎えようとしていないでしょうか。本記事では、訪問看護の利用がどこから始まるのかを制度の流れで押さえたうえで、開設前・開設直後・半年ほどの時期ごとに「誰に・何を渡すか」と、ホームページ・パンフレット・採用の発信をどの順番で整えるかを、理学療法士出身の代表がいる会社の立場で整理します。
自事業所の場合に何から手をつけるかで迷ったら、相談だけでも受け付けています(無料・売り込みはしません)。
立ち上げの集客は「利用を決める人」から逆に組む
はじめに結論です。弊社は、訪問看護の立ち上げでの集客を「利用者さんに直接知ってもらうこと」から始めるのではなく、「利用を決める場面にいる人に、受け入れ条件が伝わっている状態を作ること」から組むことをおすすめします。
訪問看護は、本人や家族が検索して申し込めば始まるサービスではありません。主治医の指示書が要り、介護保険で使う方ならケアマネジャーが作るケアプランに入ることが前提になります(制度の出典は次の節に書きます)。さらに弊社は、病院から退院してすぐ在宅に戻る方では、病院の地域連携室など退院を支える担当者が、訪問看護の手配の入り口になる場面があると考えています。つまり、開設したばかりのステーションが最初に知ってもらうべき相手は、地域の住民全体よりも、紹介の入り口にいる人たちです。
ここを取り違えると、チラシを広く配る・広告を出すといった手を先に打ってしまい、反応が無いまま時間とお金が出ていきます。開設直後は、看護師の人件費や事務所の費用が、利用者さんの数に関係なく毎月かかります。順番を誤ると、紹介が細いまま固定費だけが先に積み上がってしまいます。「利用のきっかけは誰が作る?」——次は制度の流れを確かめます。
利用はどこから始まるか:指示書と2つの保険

集客の相手を決める前に、利用が始まるまでの制度の流れを押さえます。ここに書く3つは、2026年11月4日に公的な資料で確かめた内容です。
- 主治医の指示書が要る:国の運営基準では、訪問看護ステーションは、サービスを始める時に主治医から訪問看護指示書を受けることとされています(群馬県が事業者向けに出している、国の基準の解説資料で確認)。主治医が訪問看護の必要を認めた方が対象になる、という作りです。
- 介護保険と医療保険が重なる所は、介護保険が先:厚生労働省の近畿厚生局の資料では、要介護・要支援の方への訪問看護は介護保険が優先されます。そのうえで、厚生労働大臣が定める疾病等(別表第7)の方、特別訪問看護指示書(精神科の特別訪問看護指示書を含む)が出ている方、認知症以外の精神疾患の方、入院中に退院に向けた訪問看護を行う場合は、医療保険から給付される、と整理されています。
- 介護保険で使う時は、ケアプランが前提:島根県の訪問看護の手引き(令和6年4月改定版)では、要支援・要介護の方への介護保険の訪問看護は、ケアプランに基づいて行うものとして示されています。
この流れから分かるのは、訪問看護の利用には、主治医をはじめ、ケアマネジャーや病院の退院を支える担当者といった「本人以外の人」がかかわる点です。そこで弊社は、立ち上げ期の集客を、この人たちが「このステーションに頼んで大丈夫か」を判断できる材料をそろえる仕事だと考えています。
もう1つ、弊社が大事だと考えるのは、どちらの保険の方を主に受けるかで、相談の入り口が変わることです。介護保険の方が中心ならケアマネジャー、医療保険で入る方(厚生労働大臣が定める疾病等の方など)を多く受けたいなら、主治医のいる医療機関や病院の退院を支える担当者とのつながりが重くなると弊社はみています。受けたい方を先に決めると、最初に回る先も決まります。「時期によって渡す相手は変わる?」——次は開設前からの順番を並べます。
時期ごとに「誰に・何を渡すか」
立ち上げの時期によって、渡す相手と、渡す物の中身は変わります。弊社のおすすめを、時期ごとに並べます。下の表は、時期ごとに「最初に知ってもらう相手」と「その相手に渡す物」、その時期に整えておく発信の順番が分かるようにまとめたものです。
時期 | 主に渡す相手 | 渡す物 | この時期に整える発信 |
|---|---|---|---|
開設前(指定の申請〜開設まで) | 開設する地域の居宅介護支援事業所、主治医になりうる医療機関、病院の地域連携室 | 開設日・受けられる地域・受け入れの条件を書いたA4の1枚 | 受け入れ条件の文、看護師の採用の発信 |
開設直後(最初の数か月) | 最初に相談をくれた紹介元、まだ相談の無い紹介元 | 空き状況と、相談から初回訪問までの流れ | ホームページ(A4の1枚と同じ中身を確かめられる場所) |
半年ほどたった頃 | 相談をくれた紹介元、今後つながりたい紹介元 | 受けてきた方の状態の種類(個人が分からない形)と、報告の仕方 | パンフレットの作り直し、採用の発信を続ける形 |
開設前に一番大事なのは、「どんな方を、どの地域で、いつから受けられるか」を1枚で言える状態にすることです。弊社は、ここで凝ったパンフレットを作るより、紹介元が電話の前に確かめたい事柄を短く書いた1枚を先に用意することをおすすめします。具体的には、受けられる地域、受けられる医療的なケアの種類、24時間の連絡に対応するかどうか、看護師以外の職種がいるか、相談の連絡先と返事までの目安です。
開設直後は、相談をくれた紹介元への報告の丁寧さが、次の相談を呼ぶと弊社はみています。最初の数件をどう受け、どう報告したかが、そのまま事業所の評判の材料になるからです。半年ほどたったら、受けてきた方の状態の種類がそろってくるので、パンフレットを「何ができるか」から「どんな方を受けてきたか」に書き替える時期です。ただし、利用者さんが特定できる書き方や、良くなった・治ったといった効果を思わせる書き方はしません。「作る物はどれから?」——次はホームページ・パンフレット・採用の順番です。
ホームページ・パンフレット・採用は、この順で整える
立ち上げの時期は、作りたい物が一度に並びます。弊社のおすすめの順番は、次のとおりです。
- 受け入れ条件の文(A4の1枚):すべての元になる文です。ここが決まらないまま、ホームページやパンフレットを作り始めると、媒体ごとに書いてあることがずれます。
- 看護師の採用の発信:開設前から始めます。理由は次の節で書きますが、受けられる件数は看護師の人数で決まるからです。
- ホームページ:A4の1枚と同じ中身を、紹介元や家族が後から確かめられる場所として作ります。開設日に間に合わせるのが理想ですが、1枚の中身が固まってからで十分です。
- パンフレット:受けてきた方の種類がそろい、言えることが増えた段階で作ると、作り直しが少なくて済みます。
パンフレットを最後に置くのは、開設前には「これまで受けてきた方」を書けないからです。最初から冊子にすると、半年後に書き直す手間が生まれると弊社は考えます。
ホームページについては、「そもそも訪問看護に要るのか」「何を載せれば紹介元の判断材料になるのか」という論点があります。この記事は立ち上げの順番に絞っているため、ホームページの要不要と載せる中身は訪問看護にホームページは必要?掲載の義務と選ばれるページに分けてまとめました。「採用をなぜ開設前から?」——次は看護師の人数と受けられる件数の関係です。
看護師の人数が、受けられる件数を決める
立ち上げの集客の話で後回しにされがちなのが、採用です。国の人員基準では、訪問看護ステーションは看護職員を常勤換算で2.5人以上置き、そのうち1人以上は常勤であることとされています(厚生労働省の省令「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」で、2026年11月4日に確認)。これは開設に必要な最低の人数で、紹介が増えた時に受けられる件数は、実際に動ける看護師の人数と働ける時間で決まります。
弊社は、紹介の相談が来た時に「今は人が足りず受けられません」と断ることが続くと、紹介元から次の相談が来にくくなると考えています。紹介元にとって、受けてもらえるか分からない事業所は、最初に声をかける先から外れやすいからです。だから弊社は、看護師の採用の発信を、利用者さんの集客と同じ時期、できれば開設前から始めることをおすすめします。
採用の発信では、求人票の条件だけでなく、どんな方を受ける事業所なのか、管理者がどんな考えで立ち上げたのかを、働く人の目線で見せることが要になると弊社はみています。立ち上げ期は職場の雰囲気を伝える材料が少ないので、管理者自身の言葉が一番の材料になります。
弊社は、過疎地域の訪問看護ステーションで、採用のためのInstagramを運用しています。相談の前は、地方のため求人媒体では応募が来ず、SNSで採用したいという状態でした。広告を使わずに6万回以上見られた動画を作り、Instagramを見た方からDMが来て採用が決まりました。ほかにもInstagram経由の問い合わせが来ています。ただし、どの事業所でも同じように採用が決まるとはお約束できません。地域や伝える中身で、結果は変わります。「この順番で進めにくい事業所は?」——次は当てはまらない例を挙げます。
この進め方が向かない場面(万能ではない)
ここまでの順番は、紹介の入り口から逆に組む考え方です。ただ、どの事業所にも当てはまる万能の手順ではありません。以下に当てはまる時は、順番を入れ替えるのが弊社のおすすめです。
- 母体の病院やクリニックからの紹介が中心になる場合:最初の利用者さんの入り口がはっきりしているなら、外の紹介元を広く回るより、母体との連絡の決まりごと(相談の受け方・報告の形)を先に整えるほうが進めやすいと弊社は考えます。
- 精神科の訪問看護や小児の訪問看護など、受ける方を絞る場合:弊社は、紹介元が限られやすいとみています。A4の1枚を広く配るより、その分野の相談先に向けた中身を深くしたほうがよいことがあります。
- 看護師がそろわない場合:受けられる件数が増やせない間に紹介元を広げても、断る回数が増えるだけになりかねません。この場合は、集客より採用を先に厚くします。
また弊社は、ホームページやSNSを整えても、それだけで紹介の相談が届くようにはならないと考えています。紹介元との連絡の早さや、受けた後の報告の丁寧さといった、日々の対応が伴って初めて、Webに書いた中身が信頼の材料になります。「自分の事業所はどこで止まっている?」——次は確かめる項目を並べます。
まず何から手をつけるか(立ち上げる方・管理者向けの確認項目)
立ち上げる方・管理者の方が、今の状態を点検するための5つです。答えに詰まった項目が、最初に手をつける所です。
- 受けたい方:介護保険の方が中心か、医療保険で入る方も多く受けたいかを決めていますか。
- 紹介の入り口:開設する地域で、相談をくれそうな居宅介護支援事業所・医療機関・病院の担当部署を、具体的な名前で書き出せますか。
- 受け入れ条件の1枚:受けられる地域・医療的なケア・連絡の体制を、A4の1枚で言えますか。
- 看護師の人数:紹介が増えた時に受けられる件数を、看護師の人数と働ける時間から言えますか。
- 確かめる場所:紹介元や家族が後から調べた時に、1枚と同じ中身をホームページで確かめられますか。
DP-GUILDの代表は、理学療法士として病院とスポーツクリニックで働いたあと、運動・食事・メンタルまで含めて体をみる店を自分で開業しました。医療の現場と、開業して自分で客を集める側の両方を経験した立場から、受け入れ条件を伝えるホームページ(文章をこちらで書く形にもできます)と、看護師の採用のInstagramを一緒に組み立てます。紹介元への営業の代行はしていません。弊社がお手伝いするのは、紹介元や応募を考える看護師が後から確かめに来る、ホームページとInstagramを整える所です。
「開設日は見えてきたのに、手元に何もそろっていない」「採用の発信とホームページの順番で手が止まっている」という段階でも、ご相談は無料です。滋賀を拠点に、オンラインか文章のやり取りで、止まっている所を一緒に整理するところから始めます。相談だけで終わっても構いませんし、売り込みはしません。こちらからご相談ください。
サービスの中身は、ホームページ制作とSNS採用の各ページにまとめています。
この情報は2026年11月時点のものです。
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